
ある、教育ジャーナリストの女性が大手の有名塾の先生にインタビューをした際に、首都圏で過熱している中学受験に対し、こんなホンネをおっしゃっていたそうです。
「開成・麻布・武蔵の御三家でも、本当に向いているお子さん、合格できるお子さんは、5年生からで十分に間に合います。親御さんたちが受験した頃は実際にそうでした。でも、5年生からでいいなどと提唱してしまうと、今や塾の経営そのものに支障をきたします。ですからあえて、1年生からのカリキュラムを宣伝したりしているのです。」
本来小学校低学年は、集団学習を始めて体験し、学校生活にも慣れ、学校が楽しい学びの場であることを体得する学齢です。同じ集団指導型の塾に行く子が増えることによって、学校の勉強では足りない、塾のほうが楽しいなどの望ましくない感覚が、子どもたち自身にも芽生えてしまいます。現に、そういう傾向は否めません。
では、幼稚園卒園まで慣れ親しんでいた通信教育を、入学後にどれくらい継続するかといえば、想像するほど多くないそうです。家庭にいる時間が、就学前に比べて少なくなることが大きな理由と考えられますが、本心は「いいきっかけだから、卒業と同時にやめよう」というところでしょうか。お母さんたちからよく聞くセリフです。
コメントからも気づきますが、個別指導塾を上手く利用しているお母さんが増えているようです。低学年なら親が対応できる復習も、学年が進むに従って難しくなってきます。また、学習塾で先取り学習をしていて学校の勉強は軽くクリアしているお子さんでも、その塾の先取り学習でつまずいてしまうところがあったりします。
学校や塾といった集団指導学習でどうしても不足しがちな細かなフォローを、個別指導塾の先生に託している傾向が見られます。
6年生の年末年始、志望校の過去問題から苦手箇所を徹底的に訓練して欲しいなどという要求にも対応できるのは、個別指導塾か家庭教師ですから。